2014年3月6日木曜日

【番外】読んだ小説メモ

「オレたちバブル入行組」 池井戸潤
「オレたち花のバブル組」池井戸潤
「ロスジェネの逆襲  」池井戸潤
「誰かsomeday」宮部みゆき
「名もなき毒」宮部みゆき
「死神の精度」伊坂幸太郎
「SOSの猿」伊坂幸太郎
「地下鉄に乗って」浅田次郎
「真夜中のパン屋さん」大沼紀子
「カラスの親指」道尾秀介
「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎
「夜行観覧車」湊かなえ
「外事警察」麻生幾(20140306)

これから読む本

「贖罪」湊かなえ
「一瞬の風になれ」佐藤多佳子
「疾風ロンド」東野圭吾

2014年1月8日水曜日

【書評055】「世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?」

「世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?」戸塚隆将
URL:http://goo.gl/fiFgDH


概要:

ハーバード、ゴールドマン・サックスなどを経験した著者が、いわゆる一流エリートと呼ばれる人たちには一定の共通点があると記す。


感想:

本当のエリートは、「おごり高ぶることは無い」と記す著者。基本姿勢は「謙虚」であり、だれでもできる基本的な動作をとても大事にしていると書く。少しだけ上から目線の書き方が気になるが(まぁ当然だけど)、多くの人に共通する内容だと思う。

まずは基本的なところから

---------------------------------------------------------

人は自分に関心を持ってくれる人には、自然と行為を抱くものです。
(中略)
重要な事は、まず自分から本気で相手に関心をもつことです。

(P13)
---------------------------------------------------------

これは、そう思う。結局誰もが自分を認めてもらいたい。だから自分に興味を持ってくれる人には自然と好意を持つ。よって、人と接するときはその人がどういう人で、どういう経緯でいまここにいて、何を考えてるのかを徹底的に聞いてあげるのがいいと思う。

そして情報の取り扱い方にもアドバイスを。特にオールドメディアの使い方についてはなるほどなと思いました。

---------------------------------------------------------

より重要な事は、ニュースや新聞で取り上げられた情報に、世の中などう反応するか、を見極めることです。

①読んだら、その情報に人々がどう反応するか考える
②必ず紙で読み、各ニュースの取り上げ方に気を配る
③最低2紙に目を通す

(P45)
---------------------------------------------------------

ニュースそのものに価値を見出すのではなく、(そんなものはネットでとっくに読んでるはず)そのニュースを通してどうなるのかを考えろと書いていました。

そして、そういう情報からの自分磨きを下記の通りまとめます。

---------------------------------------------------------

★心に余裕を持つ意識を保ち続けるために、日頃「アフターユー」を大事にする
★本は読書した3倍の時間をかけて章ごとにじっくりと考える
★斬新なアイデアを通すためには、それを支える論理力が不可欠
★「考える」と「調べる」を分けて時間を使う
★「So what?」(だから、何?)、「Why so?」(それは、なぜ?)で脳に汗をかく
★攻めのメンタルを維持するために(肉体の)トレーニングを欠かさない

(P75)
---------------------------------------------------------

一番「へー」と思ったのが朝一にやること、やらないこと

---------------------------------------------------------

①朝一の1時間は他の仕事をシャットアウトし、集中した作業やアイデア出しなどに使う
②メール処理は朝一にやらない。移動中や午後の生産性の下がる時間帯に取り組む
③その日のtodo確認は前日までに整理し、朝一は確認だけに留める

(P85)
---------------------------------------------------------

筆者はメールの処理は「作業」だと述べ、一番生産性の高い朝にやるなと記載します。これには異論もあると思うけど、確かにと思うこともありました。

特に目新しいことは書いていないけど、新卒や仕事に慣れきった人が読むと刺さる文章が多いかもと思いました。



2013年11月26日火曜日

【書評054】「起業の歩き方 リアルストーリーでわかる創業から上場までの50のポイント」藤野英人

「起業の歩き方 リアルストーリーでわかる創業から上場までの50のポイント」藤野英人
URL:http://goo.gl/BZmjAU

概要:

レオス・キャピタルワークス、ウォーターダイレクト、ケンコーコム
の上場までのエピソードを添えながら、起業についての必要な資質、考え方などを記載する


感想:

アーリーステージでの資金調達。ウォーターダイレクトの伊久間社長もそれに苦労したと書いてある。ここでの表記は非常に具体的で起業当初の資金運転がどれだけ大変なのかを感じることができる。

---------------------------------------------------------

そ う語る支店長に伊久間は夢中で事業計画をプレゼンした。いまや事業計画はすっかり彼自身の体に染み付いていた。これまで100社以上回って説明を繰り返す うちに「会社が何を目指し、どのように収益を上げていくか」というイメージは誰に対しても自信と確信を持ってプレゼンできるほど明確なものになっていた。 それだけでも100社回った意味はあったかもしれない。

一通り話しを聞いた支店長は穏やかに、しかし力強く言った。

「わかりました。とても可能性を感じるビジネスです。私の決済で3000万円まで融資出来ますから決めましょう。ただし必要な材料を準備してください。」

「ありがとうございます!」

伊 久間は思わず支店長の手を取って握手したい衝動に駆られた。「これで9月末は乗り切れる」とただただ感動し、安堵していた。今日まで一緒に汗を流し、知恵 を絞り合った仲間達の顔が浮かんだ。融資が決まることで会社が存続し、ビジネスを継続する未来図がやっと現実的に描けるような気がした。


(P64)
---------------------------------------------------------


また、起業家は現場を「知れ」と書いてあります。

---------------------------------------------------------

家 族連れで賑わう週末のヨドバシカメラ秋葉原店の一角で、スーツ姿のアラフォーオヤジたちの声が高らかに響く。通路を挟んで向かい側には、エスプレッソマシ ンのデモンストレーションをする若い女性たち。おそらく社員でなく、キャンペーン用に雇われているのだろうが、我々には人を採用する余裕はない。隣で慣れ ない販売業務に汗をかくのは、山梨から駆けつけた工場長の武井と営業の加治木だ。伊久間は自分自身をも奮い立たせるように「頑張ろうぜ」と目配せし、もう 一度子連れの女性客に笑顔を向けて声をかけた。

(P96)
---------------------------------------------------------

このように、「顧客の声をダイレクトにつかみ、商品開発やサービスに的確に活かす」ことが必要だと記す。


そして、起業家の資質を、
「タフネス」+「会社の全体像理解」=「トラブル解決力」
と記します。もう一つ。「苦手な分野ほど関心を持つ」ことも大事だと記します。
苦手分野を人任せにすると、そこがいずれ問題の所在となる。

特に資金繰りの箇所が読んでて面白かったです。この本、基本はウォーターダイレクトのことが記載してある本でした。

【送料無料】「起業」の歩き方 [ 藤野英人 ]
【送料無料】「起業」の歩き方 [ 藤野英人 ]
価格:1,575円(税込、送料込)

2013年11月24日日曜日

【書評053】「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江貴文

「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江貴文
URL:http://goo.gl/UqMRoY

概要:

堀江貴文、出所後はじめての書き下ろし。
今まで書かなかったプレイベートについても記載している。


感想:

こ の本は多くの人に受け入れられるんだろうなと思った。なぜか?それは簡単で弱みを見せているから。人間、弱みを見せることはとてもかっこ悪いと思いがちな のだが、それを好意的に受け入れる人が多数だと思う。特に強がってた風(本人はそう思ってないが)の人間がこういう風に素直に書くのは好感もたれるんだろ うなと思った。

---------------------------------------------------------

ところが、ここから人生最大の孤独に襲われることになる。
妻と子供の出て行った空間の、残酷なまでの広さ。子供用のおもちゃ、カラフルな飾り付け、妻の雑貨などがなくなった部屋の、絶望的な静けさ。

あれほど煩わしく感じていた家族を失うことが、こんなにも寂しいものなのか。一人で住むには大きすぎる、殺風景な一軒家。それはまるで、がらんどうになった僕の心を映し出す鏡のようだった。

そ んなある日、何気なく開けた引き出しの中から、一枚の写真が出てきた。カメラに向かって無邪気な笑顔を見せる、息子の写真だ。写真を持つ手が震え、膝が震 える。もう二度と、この子に会うことは出来ない。会ってはいけないと、理性の頭がそう言っている。しかし、感情は大きく揺さぶられる。自分が失ったものの 大きさに、打ちのめされる。

(P173)
---------------------------------------------------------


ホリエモンが結婚して離婚していたことさえ知らない人も多いのではないかと思う中で初めての記述だと思う。それは本当に素直に書いている感じがする。


ただ、この箇所を除いては著者の主張はなんら変わっていない。相変わらずの王道。変われない人にはとてもやっかいな刺激だし、変われる人にはその一歩を踏み出すきっかけになると思う。自分も後者で読んでいた。


---------------------------------------------------------

多くのビジネスマンは自らの「労働」をお金に換えているのではなく、そこに費やす「時間」をお金に換えているのだ。

(P120)
---------------------------------------------------------


コレ!確かにそうなんだよなと思う。特に営業系では無い仕事は大半がコレだと思う。とにかく時間をたくさん使うことが大事でそこから生産されるモノに対しては不感症になっている。

やりがいの無い仕事だからしょうがない。と言う発言に対してもこのように返す。


---------------------------------------------------------

やりがいとは「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」ものだ。人はなにかに「没頭」することができたとき、その対象を好きになることができる。

人は「仕事が好きだから、営業に没頭する」のではない。順番は逆で、「営業に没頭したから、仕事が好きになる」のだ。

(P123)
---------------------------------------------------------


また、やりたいことが無いと言う意見にはこう答える。


---------------------------------------------------------

やりたいことが無いと言う理由は、最初から「できっこない」とあきらめているからだ。突き抜けられる人と、そうでない人の違いは、次の一点に尽きる。

物事を「できない理由」から考えるのか、それとも「できる理由」から考えるのか。

(P132)
---------------------------------------------------------


そして、起業は誰でも出来ると締めくくる。そして問いかける。


---------------------------------------------------------

どこかで思考することをやめ、前に進むことをやめ、前例や常識ばかりを振りかざす、心の「オヤジ」になっていないだろうか?

「できる理由」を考えず、「できない理由」ばかり口にしていないだろうか?

これからの自分がどんな働き方を選ぶのか、もう一度真剣に考えて欲しい。それは自分の行き方を選ぶことに直結する。人はメシを食うために働くのではない。働くことは生きること。僕らは、自らのせいを充実させるために働くのだ。

(P157)
---------------------------------------------------------


なんでもかんでも起業が正しいとは思わない。ただし、自分で考え、自分で実行するならば余計なしがらみが一番無い自分の会社がいいに決まっている。だから起業するんだ。それが働くと言う行為に対して一番純粋な回答なんだとひたすら問いかける本でした。


【送料無料】ゼロ [ 堀江貴文 ]
【送料無料】ゼロ [ 堀江貴文 ]
価格:1,470円(税込、送料込)

2013年11月11日月曜日

【書評052】「1万円起業」本田直之

「1万円起業」本田直之
URL:http://goo.gl/8dPhKn

概要:

起業はワンチャンスでは無い。
・貯金はいらない
・会社を辞める必要も無い
・主婦もできる。むしろ向いている
・年齢も問わない。定年のシニアも向いている



感想:

本書の原題は「THE $100 STARTUP」
・初期資金は1万〜10万
・年間の収益500万以上
・資格や特別な技能は必要と市内
・ごく少人数
これが前提。

これを「マイクロビジネス」と読んでいます。
そして成功する3つのルールを明確に書いています。


---------------------------------------------------------

・「共通部分」を探す
・「スキル」を転用する
・「魔法の薬」→情熱+有用性=成功

(P32)
---------------------------------------------------------


しかし、この「情熱」これだけで突っ走らないようにと何度も釘をさしている。「情熱」は「ときには役立つ」ぐらいがちょうどいいと記す。

---------------------------------------------------------

(情熱+スキル)×(問題+市場)=ビジネスの機会

情熱は重要だが、この数式の一部でしかないことに注目して欲しい。

(P74)
---------------------------------------------------------


顧客の捕まえ方にも、特徴がありました。「年齢層なんて調べなくていい」と記した後に、下記のように記載します。

---------------------------------------------------------

・人気のある趣味、流行をつかむ
→何かに興味を持つ人がたくさんいるが、それを日常生活で実行するのは大変だというケースも、絶好のビジネスチャンスを示す兆候だ。

・欲しいものをお客にきく
→旧式のマーケティングは「説得」に基づいているが、新しいマーケティングの基本は「誘うこと」だ。

(P97)
---------------------------------------------------------


また、収益性を高めることの重要性を記します。

---------------------------------------------------------

・コストではなく、ベネフィットに基づく価格
・(限定的な範囲で)何種類かの価格を提案しよう
・2回以上稼ぐ

(P183)
---------------------------------------------------------


最後に参考になった箇所。あらゆる問題は「典型的なもの」だと知っておくことの重要性を説きます。



最後に、KEY POINTSから印象に残った文章を羅列します。
---------------------------------------------------------

最重要項目!!自分の情熱とスキルを、たにんにとって有益なものと一致させよう
(P38)

あなたが人に与えたいと思うものではなく、人が本当にほしがるものを提供しよう。
(P59)

ほとんどの人は、あるもの(お金、愛情、時間など)をより多く、あるもの(ストレス、不安、争いなど)をより少なくしたいと願っている。誰かの生活をよりよくするために、何を与え、何を取り除けるかを常に考えよう。
(P59)

ありとあらゆる知り合いに、協力をお願いしてみよう。思いがけない人が、思いがけない役割を果たしてくれるだろう
(P158)

慎重な選択を重ねれば、仕事量を大きく増やさずにビジネスを成長させ、新たに人を雇わずに規模を拡大出来る
(P215)

アドバイスは役に立つが、ときには無視することも大事だ。誰かが許可を与えてくれるのを待っていてはいけない
(P267)

---------------------------------------------------------


そして、最後にこう記します。
「他人の人生を生きて、時間を無駄にしてはいけない」

起業を勧める本や、起業家の本には同様のことが必ず書かれています。
自分のために生きるって普通のことなのに、それが一番難しい。
いまってそう言う時代なんだなと思いました。

【送料無料】1万円起業 [ クリス・ギレボー ]
【送料無料】1万円起業 [ クリス・ギレボー ]
価格:1,470円(税込、送料込)

2013年11月5日火曜日

【書評051】「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」山口揚平


「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」山口揚平
URL:http://goo.gl/W4MTzr

概要:

書名の通り、企業で働くこと、個人で働くことに対しての考え方や、行動方法など違いを記載しながら生き残り方を説明する



感想:

「自由を手にするべくあがいてみてほしい」筆者はこう書きます。それこそが「生きている」ことを実感する方法であり、多くの日本人がどれだけ本当に生きているのかを疑問に感じていると書きます。

そして起業することに対して一番大切なのは収入源。その収入を得る工夫は5つの面から考えるべきだと主張します。


---------------------------------------------------------

・「顧客」は個人だけではない
・「商品」そのもの意外で収益を上げろ
・収益を得るタイミングは一度だけとは限らない
・「相手の懐が痛まない」支払い方法にしよう
・商品の価値を生み出す原泉には、できるだけお金をかけない

(P71)
---------------------------------------------------------


そして既存モデルと戦う方法として、「成功報酬型モデル」の可能性を示唆します。


---------------------------------------------------------
しかし、日本でも実は今、これまではかかっている工数への報酬でお金をもらっていたようなモデルが、成功報酬型に移行するケースがだんだん出てきています。

人材紹介の場合、まず求人情報の掲載自体は無料にしました。ここは、もしリクルートだったら15万や20万、場合によっては40万〜50万円とかかる部分です。それできちんと人が採用された場合のみ、お金を払うと言う仕組み。つまり、成功報酬型です。

このように、成功報酬型モデルで扱うものは何でもいいのです。コンサルティングみたいなサービス業だったら占いでもできるかもしれないし、サービスでなくても、何かのコンテンツでも、例えば化粧品みたいな商品でも成功・成果報酬は可能です。

(P88)
---------------------------------------------------------


そして、固定費に関しては徹底的に削減することを進めています。家賃や人件費に代表される固定費については少なければ少ないほどリスクは軽減すると記します。さらに人を雇う時の考え方を下記の通り記します。


---------------------------------------------------------

人を雇うときは、あらかじめ別れを覚悟しておく

僕は一人と別れるたびに、一ヶ月悩みました。とても辛かったです。今でも辛い。だから最初から「辛いよ」と言っておきます。

(P142)
---------------------------------------------------------


もう一点、サラリーマン時代と起業家時代の違いを明確に一つ記します。


---------------------------------------------------------

ベストを尽くすよりもベターを積み重ねる

そして、顧客に対する価値を上げるためには、「ベターを積み重ねる」ことが必要です。自分がベストを尽くして没頭してしまうと、周りが見えなくなってしまいますよね。だから、ベターを積み重ねるということは、常に一歩引いた姿勢で少しずつ歩を進めるということです。

(P162)
---------------------------------------------------------


最後に参考になった箇所。あらゆる問題は「典型的なもの」だと知っておくことの重要性を説きます。


---------------------------------------------------------

①それは典型的なものである、と知る
②最悪のケースを想定しておき、深呼吸する
③ときには意味付けをせずに「流される」
→物事それ自体はニュートラルです。出来事は意味を持ちません。意味を与えるのは人間です。

(P189)
---------------------------------------------------------


とても参考になる一冊でした。



2013年10月21日月曜日

【書評050】「未来の働き方を考えよう」ちきりん

「未来の働き方を考えよう」ちきりん
URL:http://goo.gl/EHnNf2

概要:

いい大学に入って、大企業に就職すれば、定年までのレールに乗って何も考えないで生きていける時代は終わ
ったし、変わったと主張し新しい生き方を提示する本。



感想:

混乱Loverと本人も自称するように、著者は変化を楽しめる人。バブル崩壊後ぐらいからとてもつまらないと感じていたようだが、インターネットの普及から徐々にいろいろなモノが変化、シフトしていると実感するようになる。


IT革命による「大組織」から「個人」へ、グローバリゼーションによる「先進国」から「新興国」へ
人生の長期化による「ストック」から「フロー」へ。
こういう変化を革命的変化と呼び説明を行います。
そして、大企業で働くことの合理性が毀損し始めていると主張し、大企業を辞めることにより得られるものの価値に重きを置きます。


---------------------------------------------------------

・勤務時間や服装に求められる、日常的な規律からの自由

・個人生活を優先する自由
(恒常的な長時間労働を当然とし、有給休暇は簡単には取れないものだという不文律がある大企業は今でも多い)

・人生の一時期、数ヶ月から数年単位で子育てや介護に専念したり、留学したり、退職・復職しながら働くといった、働き方の柔軟性

・個人として意見を表明する自由
(ネット上での個人の発信を規制する組織も・・)

・組織の序列からの自由
(実力に関わらず何年もの下積みが求められる)

・やりたい仕事をやることの価値
(担当業務は辞令で決まり、希望部署に異動するには、何年も粘り強く交渉する必要がある)

・くだらない形式的な仕事に人生の時間を奪われない自由

(大組織には、誰も読み返さない会議の議事録でも、何度も練り直して上司のチェックを受けて完成させるといった、意味の分からない仕事がたくさんある)

(P94)
---------------------------------------------------------


こういう価値観を持つ人に取って、大企業の価値・メリットは「絶対、手放すべきではないお宝」では無くなっている。そしてもう一つ、「間欠泉的キャリア」を選ぶことを進めています。


---------------------------------------------------------
これに対して、需要が圧倒的に大きな市場で手に職をつければ、それとは一線を画した新しい働き方が手に入ります。それは一定期間働くごとに、リフレッシュや個人の趣味の為、そして家族のために、数ヶ月の休みを挟むという、いわば「間欠泉的なキャリア」です。

大組織に一生囲われて生きる「安泰だけれど40年以上中断出来ないキャリア」と「5年働いて数ヶ月休む」、「10年働いて2年留学する」、「3年働いて、半年は専業主夫」といった自由度がある間欠泉的キャリア。みなさんはどちらを、好ましい働き方だと思われるでしょう?
(P100)
---------------------------------------------------------


この著者が記す、人間的な生活と仕事。本当の意味でのワークライフバランスに関してはとても明確で分かりやすい基準です。そんなに無理して何が残るの?という根源的な問いを突きつけられたとき、我々はどういう風な顔をして答えることができるのでしょうか?

とても刺激的で、行動を起こさせる本だと思いました。人間らしい生き方を楽しく無理せず過ごしたいと思いました。